鍼灸整骨院を利用したときに、つぎのような疑問を持った方はいませんか?
鍼の本数が5本くらいだったけどこんなもの?
鍼に電気を流したあとはベッドから離れていたけど大丈夫?
お灸は1つ1つ手で据えるものでは?
鍼灸接骨院と鍼灸院で施術内容がちがうため「手を抜かれている?」と感じる方のお話を聞く機会があります。
しかしながら、せっかく鍼やお灸を受けるなら、自分の希望にあったお店を利用したいですよね?
そこで、この記事では、
- 一般的な鍼灸整骨院と鍼灸院のちがい
- それぞれの運営方針や施術内容について
- 利用するときのメリットとデメリット
をお伝えします。
一般的な鍼灸整骨院と鍼灸院では、運営方針や施術内容は大きく変わる
美容院でもいろいろなお店があるように、鍼灸整骨院や鍼灸院でもいろいろなお店があります。
4~5分ほどで読めるので、自分にあったお店を選ぶときには、ぜひこの記事をご活用ください。
この記事で紹介する鍼灸整骨院は、おもに京都市周辺のお店の情報です。
上茶谷 貴之
(うえちゃや たかゆき)
【保有資格】
あんま・マッサージ指圧師
鍼灸師
柔道整復師
本題の前に:一般的な鍼灸整骨院の鍼灸院を身近なお店に例えるなら?
具体的な内容をお伝えする前に、鍼灸整骨院と鍼灸院を身近なお店に例えてみます。
鍼灸整骨院 | 鍼灸院 | |
美容院や理髪店に 例えると | 美粧館・QBハウスなど | 完全個別対応の 美容院・理髪店 |
居酒屋に例えると | チェーン店 | 小規模の 個人経営居酒屋 |
運営方針や目的のちがいがあるため「どちらが優れている」といった基準ではないためご注意ください。
ご利用時には、希望にあっているお店を選びましょう。
つぎの項目から、本題に入ります。
一般的な鍼灸整骨院の鍼灸院のちがいを比較
おなじ「鍼灸」という言葉を使っていても、鍼灸整骨院と鍼灸院のちがいは、なかなか区別できませんよね?
そこで、ちがいをわかりやすくお伝えするために、全体像を表にまとめました。
鍼灸整骨院 | 鍼灸院 | |
運営方針 | 多くの患者さんに来てもらい同時対応 | すくない患者さんに対して時間かけて個別対応 |
患者さんの人数(1日あたり) | 20~40人 | 5~8人 |
施術時間の例 | 10~20分 | 30分~60分 |
1回の施術料金 | 500円~2,000円 | 3,000円~10,000円 |
鍼の施術内容 | 鍼の本数は5本前後と少ないケースが多い | 鍼の本数は10本以上使用するケースが多い |
お灸の施術内容 | 台座灸など市販されている使いやすいものを利用 | ・もぐさを1つ1つ手でひねって燃やす ・燃やしたもぐさを箱に入れた箱灸 |
利用時のメリット | 通いやすい料金のため気軽に利用できる | じっくり時間かけて個別対応してもらえる |
利用時のデメリット | ・施術時間が短いケースが多い ・ほかの患者さんを同時対応しているため、施術者に声をかけにくい | 時間をかけて施術するため、鍼灸整骨院にくらべると高額になりやすい |
この表は、あくまでも1例です。なかには、鍼灸整骨院でも鍼灸をメインにしている場合もあります。
それぞれをくわしく見ていきましょう。
運営方針のちがい
鍼灸整骨院の運営方針
多くの患者さん(1日20~40人)に来てもらい同時対応
鍼灸整骨院の鍼やお灸は、1回の施術につき500円~2,000円ほどで利用できるケースが多い印象です。
複数の患者さんを同時対応している鍼灸整骨院が多く、施術時間も短くなる傾向(10~20分前後)にあります。
複数の患者さんに同時に対応する場面では、より「迅速かつ安全な方法」が求められます。
鍼灸院の運営方針
少ない患者さん(1日5~8人)に対して時間かけて個別対応
個人運営の鍼灸院では、1回の施術につき3,000円~10,000円ほどになるケースが多い印象です。
1日に5~8人前後の患者さんに対して、30分~60分ほど時間かけて個別対応している鍼灸院が多い印象です。
施術内容によっては、患者さんからはなれることもなく、つきっきりで鍼やお灸をします。
鍼の施術内容のちがい
鍼灸整骨院で行う鍼
鍼灸整骨院の場合、施術時間(10~20分)の間に刺す鍼の本数は、5本~10本ほどのようです。
また、運営方針によっては以下の方法により、効率化を意識しているケースもあります。
- 1本の鍼をいろいろな場所に刺す施術
- 完全にマニュアル化
- 電気を流す鍼の最中は施術者が患者さんから離れてほかの患者さんを対応
多くの患者さんに満足していただくためには、施術内容の効率化が求められるのも仕方ありません。
鍼灸院で行う鍼
鍼灸院では、施術時間が30分~60分ほどのため、鍼の本数も10本以上使用するケースが多い印象です。
また、施術前に時間を取って話をうかがい、体調やご希望に合わせて鍼の本数を調整します。
個別対応により、じっくり時間をかけられるからこそ、可能な施術内容ともいえるでしょう。
お灸の施術内容のちがい
鍼灸整骨院で行うお灸
鍼灸整骨院で行うお灸は、シールで貼りつけられる市販の台座灸を使用するケースが多い印象です。
複数の患者さんを同時対応する場面を想定して、安全面や使いやすさを考慮した方法ともいえるでしょう。
シールで貼りつけられる市販のお灸
台座灸を使用した施術
鍼灸院で行うお灸
個別対応している鍼灸院で行うお灸は、おもに3つの方法があげられます。
- もぐさを1つ1つ手でひねって燃やす
- 燃やしたもぐさを箱に入れた箱灸
- 市販の台座灸を使用
1つ1つ手でひねってもぐさを燃やす方法であれば、細やかな温度調節が可能です。
燃やしたもぐさを箱に入れた箱灸では、一定時間おなじ場所に置き、温まったら別の場所に移動させながら体全体を温めます。
いずれも、施術者が患者さんから離れないことを想定した施術方法です。
いっぽうで、煙やもぐさのニオイが室内にひろがり、ほかの患者さんがいると迷惑になる可能性もあるため、個別対応しているケースが多いようです。
そのほか、お灸をする部位によっては、市販の台座灸を使用する場面もあります。
利用時のメリットとデメリット
鍼灸整骨院を利用するメリット
通いやすい料金(500~2,000円)のため、気軽に利用できます。
また、普段から健康保険を利用して整骨院に通院している方なら、施術者の顔を知っているのも、大きな安心材料といえるでしょう。
複数の人からおなじ商品やサービスを提案されたなら、顔を知っている人から買う人が多いはずです。
鍼灸整骨院を利用するデメリット
鍼灸整骨院では、ほかの患者さんを同時対応しているケースが多いため、施術時間が短くなる傾向があります。
また、施術者が離れてしまった場合「鍼が痛い・お灸が熱い」と思っても声をかけにくい場面もめずらしくありません。
まわりに気遣いができるやさしい人ほど、声をかけにくいかもしれません。
鍼灸院を利用するメリット
鍼灸院では、鍼灸整骨院とくらべて、じっくり時間かけて個別対応してもらえるお店が多い印象です。
また、施術中も施術者がちかくにいるため、不快感があったときでもすぐに声をかけられます。
鍼灸院は、個人で運営しているケースが多いため「個別対応にせざるをえない」ともいえるでしょう。
鍼灸院を利用するデメリット
時間をかけて施術するかわりに、鍼灸整骨院にくらべると料金が高くなる傾向にあります。
個人で運営している美容院でカット料金が1,500円なら、運営が成り立たないのはイメージできると思います。
余談:鍼灸整骨院の施術は患者さんを置いてけぼりでは?
鍼灸整骨院の対応は、鍼灸院にくらべて冷たい印象を受けるような……?
施術内容の部分だけを切り取ると、鍼灸整骨院のイメージが悪くなるかもしれません。
しかし、
- 施術時間も短くなる
- ほかの患者さんを同時対応している
というデメリットは「施術者に干渉されにくい」という一面もあります。
一般的な鍼灸整骨院
(施術者が離れるため干渉されない)
一般的な鍼灸院
(付きっきりなケースが多い)
「施術中はそっとしておいてほしい」という方にとっては、施術者が離れる場面が多い鍼灸整骨院の施術があっている場合もあります。
癒しマッサージ鍼灸院はオーソドックスな鍼灸施術を提供
癒しマッサージ鍼灸院:鍼の施術内容
- 体調や症状にあわせて鍼の本数を変更
- 腕や足(脚)のツボを使い全身を調整
体調や症状にもよりますが、1回の施術で10本ほどの鍼を使用するケースが多くなっております。
施術の事例
胃の調子を整える場合
頭のツボに置き鍼
▼
同時に脚のツボに鍼で刺激
自律神経の不調を整える場合
首のツボに置き鍼
▼
同時に腰のツボに鍼で刺激
癒しマッサージ鍼灸院:お灸の施術内容
- お灸は1つ1つを手でひねる
- 箱灸を利用
- 部位や施術内容によっては台座灸も使用
もぐさを1つ1つ手でひねって燃やす方法や、燃やしたもぐさを箱に入れた箱灸を活用しております。
施術の事例
もぐさを1つ1つ手でひねって燃やす
燃やしたもぐさを箱に入れた箱灸
ただし、おでこ付近やお腹にお灸をする場合は、安全面を考慮してシールで貼りつけられる台座灸を使用します。
癒しマッサージ鍼灸院で
台座灸を使用するケース
目の疲れにお悩みの方の
おでこにお灸をする場合
髪の毛にお灸のニオイが付着することがあるため、煙の少ない台座灸を使用。
便秘にお悩みの方の
お腹にお灸をする場合
呼吸にあわせてお腹が動くため、ひねったもぐさや箱灸を置きにくい。
まとめ
鍼灸整骨院 | 鍼灸院 | |
運営方針 | 多くの患者さんに来てもらい同時対応 | すくない患者さんに対して時間かけて個別対応 |
患者さんの人数(1日あたり) | 20~40人 | 5~8人 |
鍼の施術内容 | 鍼の本数は5本前後と少ないケースが多い | 鍼の本数は10本以上使用するケースが多い |
お灸の施術内容 | 台座灸など市販されている使いやすいものを利用 | もぐさを1つ1つ手でひねって燃やす燃やしたもぐさを箱に入れた箱灸 |
利用時のメリット | 通いやすい料金のため気軽に通える | じっくり時間かけて個別対応してもらえる |
利用時のデメリット | ・施術時間が短いケースが多い ・ほかの患者さんを同時対応しているため、施術者に声をかけにくい | 時間をかけて施術するため、鍼灸整骨院にくらべると高額になりやすい |
一般的な鍼灸整骨院と鍼灸院では、1日で対応する患者さんの人数がちがうため、運営方針や施術内容が大きく変わります。
ご利用時のメリットとデメリットもふまえて、希望にあったお店を選んでいただければ幸いです。
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