

治療院で施術を受けた後に、症状が悪化したことを伝えたら「好転反応です!」といわれました……
こちらは、癒しマッサージ鍼灸院をご利用いただいた方からのお話です。
好転反応と聞いて、
- 良いこと?悪いこと?
- だるい、痛いのはなぜ?
- 起きたときの対処法は?
など調べてもよくわからないため、不安な気持ちのまま、スマホの画面をLINEなどに切り替えた方もいるのではないでしょうか?。
そこで、この記事では、
- 好転反応の科学的根拠
- 好転反応の認知度
- 好転反応という言葉が認知されている理由
について、鍼灸・あんまマッサージ指圧師の視点を通してお伝えいたします。
結論をお伝えすると、好転反応に科学的な根拠はありません。
そのため、癒しマッサージ鍼灸院では施術後の体の変化に対して「好転反応」という伝え方を極力ひかえてます。

治療院で「好転反応です」と伝えられたときの不安を解消するためにも、記事の内容を参考にしてみてください。
好転反応に根拠なし?厚生労働省の見解や海外の記事より考察


この項目では、好転反応についてよく見かける意見とあわせて、
- 厚生労働省の見解
- 海外の医療記事
- 好転反応について意見を述べている治療院の記事
を確認していきます。
前提知識:好転反応についてみかける意見
体が正常な状態にもどるときに発生する「一時的な体の変化」といわれています。
好転反応?




施術後にぐったり
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2~3日後にスッキリ
一時的に症状が悪化する原因としては「血流が良くなり、体内の毒素や老廃物が流れることで様々な症状が起きる」といわれています。



最近、耳にする言葉としては「デトックス」などがちかいでしょう。
厚生労働省の見解:好転反応に根拠なし
厚生労働省の見解としては、つぎのように述べられています。
表現自体が薬事法違反にあたります。「好転反応」に科学的根拠はありませんので、商品説明の表現として好転反応をうたうものには十分注意し、万が一、健康食品を摂取して体調が悪くなった場合には、すぐに使用を中止しましょう。
引用:厚生労働省
「好転反応」に騙されないよう要注意 厚労省は「科学的根拠なし」
厚生労働省は「健康食品情報の冷静な受け止め方」というハンドブックの中で「好転反応に科学的根拠はない」と断言。好転反応を謳うものには十分に注意をするよう呼びかけている。
引用:JCASTニュース
海外の医療記事:好転反応に具体的な根拠はない
海外の記事でも「Healing Crisis(治療の危機)」として紹介されているものの「具体的な根拠はない」とまとめられています。
The NCCIH notes that clinical studies have found little evidenceTrusted Source in support of a healing crisis reaction.
翻訳
NCCIHは、臨床研究ではヒーリング・クライシス反応(好転反応)を支持するエビデンスはほとんど見つかっていないと指摘している。
引用:What Is a Healing Crisis? Why it Occurs and How to Treat
好転反応について書かれた治療院の記事:医師が監修していない
癒しマッサージ鍼灸院とちがい、医師から推薦をうけたり絶賛されたりしている整体院や整骨院が、好転反応について意見を述べていることがあります。
いっぽうで、そのような整体院や整骨院の記事を拝見したところ、
- 医師自らが監修しているケース
- 信憑性の高い論文の引用
などは確認できておりません。
※2024年2月時点



たとえるなら、車の衝撃耐久テストのデータを蓄積しないまま、新車の情報を発信している状態です。
メモ①
「医師の推薦を受けている整体院」であっても「医師が監修している」とはかぎりません。
メモ②
金銭の受け渡しにより医師からの推薦を受けている場合は、PR表記などをしなければ景品表示法違反となるおそれがあります。
※ステマ規制の対象:消費者庁に電話で確認済
好転反応に科学的な根拠はない(2024年2月時点)
厚生労働省の見解
「好転反応」に騙されないよう要注意 厚労省は「科学的根拠なし」
海外の医療記事
Healing Crisis(治療の危機)」として紹介されているものの「具体的な根拠はない」
整体院や治療院の記事
医師自らが監修しているケースはなく、信憑性の高い論文の引用もない
ここまでの内容をふまえると
「好転反応に科学的根拠はない」
といえそうです。



あくまで「科学的な根拠がない」だけであり、好転反応そのものが「ある or ない」については断言できません。
好転反応の認知度をSNSで調査


「好転反応」の認知度について、アンケートをとったところ、「知っている」もしくは「聞いたことがある」が7割以上という結果になりました。





漢方薬の使用経験がある人なら、好転反応=瞑眩反応(めんげんはんのう)と聞いたことがあるかもしれません。
いっぽうで、科学的根拠のない現象(好転反応)が、多くの方に認知されていることに疑問が生まれます。
好転反応が認知されている理由:施術者の「いいわけ」かも?


好転反応という言葉が認知されている理由としては、「施術者の”いいわけ”として日常的に使われているのが原因の1つ」と考えています。
好転反応とまちがえられやすい、2つの事例を見ていきましょう。
好転反応ではない?施術後に悪化するケース2つ
- 寝違えた首をさらに捻ってしまった
- 肩の痛みが完全に取り切れていない状態で洗濯物を干した
- 腰の痛みが落ち着いたと思って重たいものを持ち上げた
- 寝違えた首をボキボキ鳴らすような施術
- 動かない肩関節を無理やり動かす施術
- ぎっくり腰で痛めた筋肉に強い指圧
①については、症状が悪化した原因があるため好転反応とはいえません。
②については、施術者が不適切な施術(刺激の強い施術)により症状が悪化した場合でも「好転反応」という言葉でごまかしているケースがあります。
「好転反応です!」と伝えられて不安になった方のお話
癒しマッサージ鍼灸院をご利用いただいた方より、つぎのようなお話を聞くことがあります。
京都市内の鍼灸整骨院を利用したとき、脚に鍼を打たれたあと「痛い」と伝えたものの放置され、施術後に痛みで脚を引きずっていたら「大丈夫です!好転反応です!」といわれて不安になりました……
このようなケースでは「施術者側の不手際による症状の悪化」と考えるべきでしょう。
強い刺激が逆効果に?




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花に水をあげすぎたら枯れてしまうように、人の体にも強い刺激をあたえすぎると、改善どころか悪化することもめずらしくありません。
自信満々に伝えられたら見抜くのはむずかしい
施術者から自信満々に伝えられると「そうなのかな……」と思ってしまう方が、おおいのではないでしょうか?
テレビでみかけるコメンテーターが、
- 医師
- 弁護士
- 元警部補
のような肩書きを持っていれば、正しい情報ではなかったとしても、話の内容に耳を傾けてしまうはずです。
おなじように、好転反応ではない体の変化(施術者の不手際)であっても、治療院や整体院の施術者から自信満々に伝えられたら、信じてしまうのも仕方がありません。



施術者の不手際を「好転反応」という言葉で片付けるのは、ご利用いただいた方(患者さん)にとって失礼だと思っています。
癒しマッサージ鍼灸院で「好転反応」と伝える場面もある


好転反応については、科学的根拠がないため「ある」とも「ない」とも断言できないうえ、ときには施術者の不手際をごまかす表現として使われています。
それでも、癒しマッサージ鍼灸院をご利用いただいた方に、あえて「好転反応」と伝える場面があります。
あえて「好転反応」と伝える場面:体に起きる変化を理解している場合
好転反応による体の変化を理解して受け入れている方には、あえて「好転反応」と伝える場面もあります。
「科学的根拠がない」ということは「ある」とも「ない」とも断言できません。そのため、こちらからは否定せず、お話に耳を傾けるようにしております。



気分よく話をしているときに、話を折られたら誰だっていい気はしませんので。
ご利用いただいた方にお伝えしていること
癒しマッサージ鍼灸院では刺激の強い施術は提供しておりませんが、施術後に「100%悪化しない」とはいいきれません。
そのため、もし施術後に症状が悪化した場合は、安易に「好転反応です」とは伝えず、考えられる原因をお伝えいたします。
あわせて、施術後の急激な体の変化を防ぐため、以下の4項目をご確認いただいております。
- 夜は早く寝る
- お風呂には20分以上つからない
- アルコールはひかえる
- ぎっくり腰や寝違えのような強い痛みの場合は安静にする



とくに不調を感じている期間が長い人は、体の変化に敏感になっている印象があるため、施術を受けた日はゆっくりしてただくのがよいでしょう。
まとめ:好転反応に根拠はなく施術者のいいわけの可能性も
好転反応に科学的な根拠
2024年時点では明確な科学的根拠はない
科学的根拠のない好転反応の認知度
7割以上の人が知っている
好転反応という言葉が認知されている理由
不適切な施術で悪化したときの”いいわけ”として使われることも
以上を踏まえて、癒しマッサージ鍼灸院では施術後の体の変化に対して「好転反応」という伝え方を極力ひかえております。
施術後、症状が悪化したときには、不安を解消するためにも、施術者にくわしい原因を確認しておきましょう。



以上、参考になれば幸いです。
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