
自律神経には”交感神経”と”副交感神経”の2つがあり、それぞれが体の機能を調整してくれています。
しかし、体質によっては、自立神経のバランスがくずれてしまい体の不調がでることもあります。
テレビなどでは『自律神経失調症』として紹介されているのを、見聞きした方もおおいのではないでしょうか?

腕や脚を動かすのとちがい、自分でコントロールできません。
- 更年期障害
- 便秘
- 生理不順
- うつ
……など
このような自律神経の不調を、東洋医学では『陰陽(いんよう)のバランスがくずれている』と考えます。
このページでは、自律神経の不調と東洋医学の関係性について紹介させていただきます。聞きなれない『陰陽』という表現ですが、それほどむずかしい考えではありません。
鍼やお灸、マッサージで陰陽のバランスを整えて、体の不調が改善するケースもあります。
くわしくみていきましょう。
自律神経について


くわしい説明にはいる前に、もうすこしだけ自律神経について確認してみましょう。
ひとことに体の機能を調節するといっても、交感神経と副交感神経では役割がちいがいます。
表にまとめると以下のようになります。
活発になる場面 | 体の変化 | |
交感神経 | 興奮している時 | 血圧上昇 汗をかく 呼吸がはやく浅くなる | 体温上昇
副交感神経 | リラックスしている時 | 心拍数はおちつく 血圧低下 尿意、便意 呼吸はゆっくり深くなる | 内臓の動きが活発になる
共通点は、自分でコントロールできないことです。腕や脚とちがい『汗を出す、胃や腸を動かす』といったことは、自分の意思ではできません。
交感神経が活発になるときの具体例


- 悲報を聞かされたとき
- 休みの日に上司から連絡が入ったとき
- 遅刻しそうになり走っている場面
- 大事なプレゼンの前日の夜に眠れない
などがあげられます。
緊張する場面や、イライラしているとき、体を動かしているときには、交感神経が活発になります。
「アドレナリンがでている」といって表現を耳にしたこともあるのではないでしょうか?アドレナリンがでている=交感神経が活発になるというイメージで問題ありません。
副交感神経が活発になるときの具体例


- お風呂に入ってゆっくりしているとき
- 仲のよい友人と気兼ねなく話をしている場面
- 家族と幸せな時間を過ごしているとき
- かるくストレッチをしたりマッサージをうけるとき
リラックスしているときは、副交感神経が活発になります。ほかには、お手洗いがちかくなるときにも副交感神経が働いています。
自律神経は自分でコントロールできない
交感神経=興奮、副交感神経=リラックスとなるため、それぞれが反対の役割を果たしています。
しかし、どちらの神経も自分でコントロールはできません。そのためバランスがくずれて、体の不調につながることがあります。更年期障害によるほてりやイライラは、自律神経のバランスがくずれて交感神経が強く働き過ぎている状態といえるでしょう。
自律神経の不調を東洋医学の『陰陽』でとらえると


東洋医学では陰と陽を『エネルギー』としてとらえます。
イメージとしてはつぎの表のようになります。
自律神経に例えると | 増えた時の体への変化 | 特徴 | |
陽のエネルギー | 交感神経 | 熱を感じやすい | 興奮する上半身に集まりやすい |
陰のエネルギー | 副交感神経 | 冷えを感じやすい | リラックス下半身に集まりやすい |
以上の内容から、自律神経を東洋医学の『陰陽』の考えにあてはめると、
- 交感神経が活発=陽のエネルギーが多い
- 副交感神経が活発=陰のエネルギーが多い
となります。
体に不調がなければ、それぞれが全身にバランスよく流れいるため、極端なほてりや冷えを感じることはありません。


陰陽のバランスがくずれると……
自律神経のバランスがくずれるように、陰陽のバランスもくずれることがあります。わかりやすい例として、イライラしている場面をみてみましょう。
イメージとしてはつぎのようになります。


イライラしているときは、陽のエネルギーが上半身(とくに頭)に集まります。
その結果、頭痛や顔のほてりが起きるケースもあります。
東洋医学では陰陽のバランスを整えて症状の改善を目指す
当院をご利用いただいている方の施術例を紹介させていただきます。
- 年代:50代
- 性別:女性
- 主な症状:頭痛、イライラ、足のダルさ、足の冷え
以上の内容から、
上半身に陽のエネルギーが集まる過ぎている→イライラや頭痛が発生
下半身は陽のエネルギーがすくない→足元の冷えが発生(陰のエネルギーだけが足元に残っている)
と考えます。
バランスの整え方は2つ
上半身に集まりすぎた陽のエネルギーを、全身に流すような施術を行います。
実際に使用したツボ


上半身(おもに頭)にすこし強めの刺激をくわえて、エネルギーを分散させます。


下半身に軽めの刺激をくわえて、上半身に集まった陽のエネルギーを下半身に集めます。
効果には個人差があります
- 症状が長く続いている場合は、効果が表れるまでに時間がかかる
- 暑い場所、冷えている空間で仕事をするなど、仕事や生活環境が体に強く影響
- 日常的にストレスが多いほど、治療をしても症状が再発しやすい
いいかえると、早めに対処して普段の生活を見直すだけでも、自律神経の不調は改善することもあります。
ひとりで悩まないでください
自律神経は2種類(交感神経、副交感神経)あり、体の機能を調節しています。自分でコントロールできないため、2つの神経のバランスがくずれると体の不調につながることも。
自律神経の不調を東洋医学では『陰陽のバランスがくずれている』と考えます。しかし、人によっては生活環境を見直すだけで症状が改善することもあります。
もし薬などを使用しても、症状が落ち着かない場合は東洋医学的な治療を検討されてみてはいかがでしょうか?



当院では東洋医学の考えにもとに、症状だけを診るのではなくみなさまのお悩みに耳を傾け生活環境のアドバイスを行っております。