リラクゼーションサロンに国家資格を持っている人がいるの?
そもそもマッサージに資格は必要なの?
似たような国家資格があるけどちがいがわからない……
こちらは、癒しマッサージ鍼灸院をご利用いただいた方から聞いたお話です。
あまり知られてはいませんが、仕事としてマッサージを提供するには、あんまマッサージ指圧師の資格(正確には免許)が必要です。
違反した場合は罰金50万円
参考:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
あんまマッサージ指圧師と似たような資格としては、
- 柔道整復師
- 鍼灸師
- 理学療法士
などがあげられますが、資格名を聞いただけでは、ちがいがわからないですよね?
そこでこの記事では、
- あんまマッサージ指圧師の資格を持っているかを確認する方法
- 似たような国家資格の施術者がリラクゼーションサロンで働く理由
- 似たような国家資格の施術者があんまマッサージ指圧師の資格を取らない理由
をお伝えいたします。
納得してお金を払えるお店を選ぶためにも、記事の内容を参考にしてみてください。
上茶谷 貴之
(うえちゃや たかゆき)
【保有資格】
あんま・マッサージ指圧師
鍼灸師
柔道整復師
さりげなくあマ師を持っているか確認する方法:学校名を聞いてみる
冒頭でお伝えしたように、仕事としてマッサージを提供するには、あんまマッサージ指圧師の資格(正確には免許)が必要です。
しかし、担当する施術者に「どの資格を持っているか?」とは聞きにくいと思うので、世間話のような感じで「なんていう学校に行ったの?(関西弁)」で聞いてみてはいかがでしょうか?
- 行岡医療専門学校(大阪)
- 関西医療専門学校(大阪)
- 仏眼鍼灸理療専門学校(京都)
上記3校以外の学校名を答えた施術者は、あんまマッサージ指圧師の資格を持っていない可能性が高くなります。
あんまマッサージ指圧師と似たような国家資格とは?
- 柔道整復師
- 鍼灸師
- 理学療法士
いずれの国家資格も専門学校(もしくは大学)を卒業し、国家試験に合格する必要があります。
※専門3年もしくは大学4年を卒業
人体に関する基本的な知識については「この資格が優れている」などのような、明確なちがいはありません。
もちろん、あんまマッサージ指圧師をとる場合も専門学校を卒業する必要があります。
あんまマッサージ指圧師と似たような国家資格を持つ人のおもな勤務先
おもな勤務先
柔道整復師 | ・整骨院 ・介護施設 ・整形外科 ・フィットネスジム |
鍼灸師 | ・鍼灸院(訪問ふくむ) ・整形外科 |
理学療法士 | ・リハビリ施設のある病院やクリニック ・介護施設 ・フィットネスジム |
おなじ野球選手でもポジションや打順で役割が変わるように、似たような資格でも勤務先や求められる業務内容がちがいます。
ここまでの内容をふまえると、国家資格を持ちながら、もみほぐしのようなリラクゼーションサロンで働いている施術者は、めずらしいケースといえるでしょう。
✔補足
柔道整復師や鍼灸師は開業権があり、資格を持っていれば整骨院や鍼灸院を開業できます。
いっぽうで、病院や介護施設に務めることを想定されている理学療法士には、開業権が認められていません(医師の指示の下でなければ理学療法を提供できない)
国家資格を持つ施術者がリラクで働く理由3つ
柔道整復師や理学療法士などの国家資格を持っている施術者であれば、おもな勤務先は整骨院や病院(クリニック)などが中心です。
では、国家資格を持つ施術者が、リラクゼーションサロンで働くのでしょうか?
理由は、つぎの3つがあげられます。
- 人の体に触れる機会を増やすため
- コミュニケーションスキルを高めるため
- 副業としてお金を稼ぐため
①人の体に触れる機会を増やすため
施術者として成長するためには、経験が必要です。
そのため、職場以外でも人の体に触れる機会をつくることで、人の体に対する理解度を深めている方もいます。
車の免許を取っても運転する機会がなければ、運転技術は身につかないのとおなじく、資格を持っていても現場を経験しなければ身につきません。
②コミュニケーションスキルを高めるため
①と重なりますが、施術者として成長するためには、知識や技術だけでなく、コミュニケーションスキルも必要です。
すごい知識や技術を持っていても、無愛想で態度が悪ければ、信用してもらえません。
しかし、客観的に自分を評価するのは難しいため、あえてリラクゼーションサロンなどに勤務して、コミュニケーションスキルを磨く人もいます。
整骨院や病院にくらべると、リラクゼーションサロンの施術時間は長いところがほとんどです。
参考:一般的な施術時間
- 整骨院や病院:20~30分
- リラクゼーションサロン:60分前後
そのため、施術を通して、いままで気づけなかった自分の弱点が見つかることもあるようです。
③副業としてお金を稼ぐため
お金を稼ぐことを目的に、副業としてリラクゼーションサロンなどで働くケースもあります。
お金を稼ぐ理由としては、生活のためという人もいれば、いずれ開業するときに必要な資金を準備するための人もいます。
①、②で知識や技術を高めながら、お金もいただけると思えば、国家資格を持っている施術者が働くのも納得できます。
あんまマッサージ指圧師の立場としては、明確な目的を持っているのであれば、リラクゼーションサロンで働くことを否定しません。
リラクゼーションサロンにいる人があんまマッサージ指圧師の免許を取らない理由3つ
冒頭でお伝えしたように、仕事としてマッサージを提供する場合は、本来ならあんまマッサージ指圧師の資格が必要です。
- 施術者として自分の身を守るため
- 利用する人の安全を守るため
といったことを踏まえても、資格は持っておくべきでしょう。
いっぽうで、
それなら、あんまマッサージ指圧師の資格を取ればいいのでは?
と思う方もいるのではないでしょうか?
しかし、あんまマッサージ指圧師資格を取るためには、3つの大きなハードルがあります。
- あんまマッサージ指圧師の学校に入るのがむずかしい(すくない)
- 免許を取るまでにお金や時間がかかる
- 法律ではグレーあつかいになっているため
①あんまマッサージ指圧師の学校に入るのがむずかしい
あんまマッサージ指圧師の資格を取るためには、専門学校を卒業後、国家試験に合格する必要があります。
しかし、全国的に見ても
- 学校数が少ない
- 入学試験の合格率が低い
などの理由で、断念する施術者が多くなっています。
学校数が少ない理由
視覚障碍者の職業領域を守るため、あんまマッサージ指圧師の学校そのものが少なくなっています。
私も1年浪人をして、大阪の行岡医療専門学校に入学しました。
②資格を取るまでに時間とお金がかかる
資格を取るまでに、専門学校に3年間通う必要があります。
くわえて、入学金や授業料などの学費を準備しなくてはいけません。
3年間で約500万円ほどになります(教科書代、国家試験受験代、免許登録費などふくむ)
③法律ではグレーあつかいになっているため
本来ならあんまマッサージ指圧師の資格が必要な仕事を無資格(無免許)の人がしていたとしても、日本においては野放しになっているのが現実です。
また「たかがマッサージくらい、べつに資格(免許)なんていらないでしょ?」と考える施術者も、残念ながらいるようです。
誰もいない赤信号の交差点で、信号無視して横断歩道を歩いているような状態ともいえるでしょう。
いっぽうで、無資格で施術を提供した結果、摘発されている事例もあります。
無免許マッサージの摘発例
癒しマッサージ鍼灸院の場合:3つの資格を所持
癒しマッサージ鍼灸院の施術者でもある上茶谷は、
- あんまマッサージ指圧師
- 鍼灸師
- 柔道整復師
を持っています。
そのため、
- 整骨院
- 鍼灸院
- マッサージ院
のいずれも開業できますが、あえて鍼灸・マッサージ院として運営しております。
整骨院として開業しなかった理由
健康保険の利用が前提となる整骨院よりも、自費で対応する鍼灸・マッサージ院のほうが、自分(上茶谷)の運営方針にあっていると思ったためです。
また、健康保険を利用する場合、国の方針により影響を受けるため、場合によってはご利用の方に思わぬ迷惑をかけてしまう可能性があります。
健康保険を取り扱わない理由について
鍼灸やマッサージでも、医師の同意書があれば健康保険を利用できますが、癒しマッサージ鍼灸院では健康保険を取り扱っておりません。
理由はつぎの2つがあげられます。
- 患者さんの負担になるケースがある
- 重複受診によるトラブルを防ぐため
くわしくは、以下の記事をご確認ください。
まとめ
仕事としてマッサージを提供するには、あんまマッサージ指圧師の資格が必要です。
リラクゼーションサロンで担当する施術者から「国家資格を持っています」と伝えられたときは「なんていう学校に行ったの?」で聞いてみると、施術者が持っている資格のヒントになるかもしれません。
- 行岡医療専門学校(大阪)
- 関西医療専門学校(大阪)
- 仏眼鍼灸理療専門学校(京都)
納得して利用できるお店を選ぶ際には、この記事をご活用ください。
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