

患者さんから、以下の質問をいただきました。
鍼灸でも健康保険が使えるはずなのに、癒しマッサージ鍼灸院では取り扱わないのですか?
健康保険を取り扱ってもらえたら、安い料金で通院できるので、患者さんにも喜んでもらえるのでは?
癒しマッサージ鍼灸院で健康保険を取り扱わない理由は、つぎの2つがあげられます。
- 患者さんの負担になるケースがある
- 重複受診によるトラブルを防ぐため
日本が世界に誇る健康保険精度ですが、取り扱いにはさまざまなルールや制限が存在します。
ルールや仕組みを知らなければ、医療機関でシップや痛み止めを処方してもらっている方の場合、思わぬトラブルにまきこまれることも。

今回の記事では、鍼灸の健康保険を例にお伝えしますので、参考にしてみてください。


上茶谷 貴之
(うえちゃや たかゆき)
【保有資格】
あんま・マッサージ指圧師
鍼灸師
柔道整復師
癒しマッサージ鍼灸院で健康保険を取り扱わない理由2つ
- 患者さんの負担になるケースがある
- 重複受診によるトラブルを防ぐため
その①:患者さんの負担になるケースがある:利用するには医師の同意書が必要


前提
医師の同意書があれば、以下6つの疾患にたいして鍼灸院でも健康保険が利用できます。
- 腰痛症
- 頚肩腕症候群
- 五十肩
- 関節リウマチ
- 神経痛
- 頚椎捻挫後遺症の疾患
医師に同意書を書いていただくまでの流れ
患者さんの負担になる理由2つ
- 医療機関の受診が必要なため混み具合によっては半日ほどかかる
- 同意書をかならず書いてもらえるとはかぎらない
とくに注意したいのは「同意書をかならず書いてもらえるとはかぎらない」です。
半日かけて医療機関を受診していただいても、医療機関で同意書を書いてもらえなければ、貴重な時間や体力をムダにしてしまう場合があります。



お仕事などで時間を確保できない方は、注意が必要です。
その②:重複受診によるトラブルを防ぐ:シップを処方されなくなるかも?
鍼灸の同意書を書いていただけたとしても、以下のような問題が発生します。
- シップや痛み止めの処方されなくなる可能性あり
- 整骨院で健康保険を利用出来なくなる可能性あり
理由は、重複受診になってしまうためです。
重複受診とは?
健康保険では、同一の病気について複数の医療機関で同時に、または短期間に治療を受ける「重複受診」は禁止されています。重複受診は、健康保険の適用外となり、全額自己負担になります。
重複受診は、医療費を増やしてしまうだけでなく、重複する検査や投薬によりかえって体に悪影響を与えてしまうなどの心配もあります。また、医療機関を変えている間に病状が悪化してしまう恐れもあります。
GoogleのAIによる回答
例:腰痛症で鍼灸の同意書を書いてもらえた場合
上記のケースの場合、腰痛以外の症状であれば、医療機関や整骨院でも健康保険が利用できます。
また、医療機関や整骨院で、健康保険を利用せずに自費で通院していただくのであれば問題はありません。
イメージ
- 医療機関を自費で通院→シップや痛み止めの処方可能
- 整骨院を自費で通院→腰痛に対する施術を受けられる



つぎの項目では、癒しマッサージ鍼灸院で健康保険を取り扱わないメリットをお伝えします。
健康保険を取り扱わないメリットも?
前項目でお伝えしたように、鍼灸で健康保険を取り扱った場合、以下のような問題点があります。
- 患者さんの負担になる
- 重複受診によるトラブル
視点を変えると、自費で癒しマッサージ鍼灸院をご利用いただければ、以下のメリットがあるともいえます。
- 同意書の手続きに時間を使わずにすむ
- 健康保険を利用して医療機関や整骨院を利用可能
医療機関でシップや痛み止めの処方を受けている場合、おなじ部位の症状では整骨院で健康保険を利用できません。
まとめ
癒しマッサージ鍼灸院で健康保険を取り扱わない理由2つ
- 患者さんの負担になるケースがある
- 重複受診によるトラブルを防ぐため
鍼灸で健康保険を利用するなら同意書が必要
ただし、
- 医療機関を受診する必要あり
- かならず書いてもらえるとはかぎらない
同意書を書いてもらえても重複受診になるおそれあり
- 健康保険を利用してシップや痛み止めを処方してもらえない
- おなじ症状に対して整骨院で健康保険を利用できない
以上を踏まえて、患者さんに余計な負担をあたえないためにも、癒しマッサージ鍼灸院では健康保険を取り扱わない方針で運営しております。



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